膣がかゆい、ボロボロしたおりものは膣カンジダの症状

カンジダ膣炎は、真菌類(カビ)のカンジダ・アルビカンスに感染して起こる膣の炎症です。カンジダ膣炎を発症すると、外陰部に激しいかゆみがあり、豆腐やヨーグルトのような状態の、ボロボロした白いおりものが増えます。おりものの中に泡が混じっていることもあります。

症状の特徴は陰部がかゆい

トリコモナス膣炎と異なり、おりものに悪臭はありません。排尿痛や性交痛の症状を訴える女性もいます。何度も再発を繰り返している人は、慢性化してかゆみなどはなく、性交痛以外の自覚症状が現れない女性もいます。

原因となるカンジダ菌は、膣以外にも健康な人の口や気管支、消化器官にも存在しており、普段は悪さをしません。しかし風邪やストレスで体の抵抗力が低下したり、抗生物質が善玉菌を殺してしまい膣の自浄作用が低下するなどすると、発症して不快な症状を引き起こします。

膣内にカンジダ菌が生息している女性の割合は、妊婦さんで約3人に1人、妊娠していない女性で約7人に1人とされており、治療が必要なのはいずれも30%程度とされています。

外陰部のかゆみ、おりものの異常などの症状は、カンジダだけでなくトリコモナス膣炎や非特異性膣炎、萎縮性膣炎などでも見られるため、過去に婦人科でカンジダと診断されていた人であっても、自己判断でその時に処方された薬を使用することは症状を悪化させかねません。

婦人科ではこれらの感染症と区別をするために、問診、膣鏡診、膣内のpH測定、外陰部の所見、膣分泌液を採取して培養するなどを行います。そしてカンジダ菌の検出にくわえて、膣のかゆみ、灼熱感、性交痛、おりものの異常などの症状が確認された場合にのみ正式にカンジダ膣炎と診断されます。

カンジダ膣炎の治療は、まず膣粘膜に付着した分泌物を膣洗浄で除去してから、エンペシド、フロリード、オキナゾール、バリナスチンなどの抗真菌剤の膣座薬やクリームなどを使用します。かゆみは3~4日で改善しますが、おりものにカンジダ菌が検出されなくなるまで治療は続けます。

カンジダ膣炎の再発による不快な症状はドラッグストアの市販薬で治療できます

カンジダ膣炎は治療を終えても、風邪やストレスなどが原因で体の抵抗力が低下すると再発を繰り返します。従来は再発の都度、婦人科を受診して抗真菌薬を処方してもらう必要があり、平日忙しい女性は病院に行く時間がなかなかとれず、その結果、カンジダ膣炎が治らないという大きな問題を抱えていました。

膣カンジダの市販薬

そこで現在は再発したカンジダ膣炎に限り、薬剤師から説明を受けるという条件のもと、ドラッグストアや薬局で治療薬を購入できるようになりました。上記のようにカンジダ膣炎と似た症状が現れる感染症もあるため、過去に医師からカンジダ膣炎と診断されたことがない方が市販薬を購入・使用することは厳禁です。

2016年12月現在、ドラッグストアや薬局で購入可能なカンジダ膣炎の治療薬には、メンソレータムフレディCC膣錠(ロート製薬)、フェミニーナ膣カンジダ錠(小林製薬)、オキナゾールL100(田辺三菱製薬)、エンペシドL(佐藤製薬)、メディトリート(大正製薬)があります。これらはいずれも膣に挿入する「膣錠」という錠剤タイプの薬ですが、外陰部の症状を和らげる「クリーム」もあります。

膣錠は6日間の連続使用により、膣のかゆみ、灼熱感、ボロボロ下おりものなどの症状の消失が期待できますが、6日分使い切っても症状が残っている場合は、「カンジダ膣炎以外の病気」、「カンジダ菌に薬剤耐性がある」、「薬に対する過敏症」などの可能性を考慮して、婦人科で診療を受ける必要があります。

カンジダの再発を予防するためには、必要以上にビデで膣内を洗浄しないこと、十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事で体の抵抗力を落とさないこと、外陰部がムレてカンジダ菌が繁殖しないように通気性の良い下着を着用することなどが大切です。

カンジダ膣炎は女性だけのSTD(性感染症)と思われがちですが、男性も亀頭の包皮などに感染します。特に包皮の内側の清潔を保ちにくい包茎の男性は、女性パートナーからの感染して炎症を起こすリスクが高まります。女性がカンジダ膣炎を発症した場合は男性も検査を受けることが大切です。勿論、治療期間中はたとえ症状が消失していてもセックスは厳禁です。